Interview株式会社フレクト

モビリティ業務最適化クラウド「Cariot(キャリオット)」

まず、サービスについて説明していただけますでしょうか。

大槻:Cariot(キャリオット)は、「モビリティに関わる業務の最適化を支援するクラウドサービス」です。各車両に搭載した車載機器やスマートフォンのアプリから、“車がどこを走っているか”ということや、“物流トラックがいつ配送先に商品をお届けし、どれくらい滞在したか”という情報を集めてインターネット上で可視化します。集めたデータを分析することで、業務効率化を図ることができるサービスです。

機器はどのように車に搭載するのですか。使い方を教えてください。

Cariot デバイス

大槻: 使い方はとても簡単です。GPS搭載のデバイスをシガーソケットなどに取り付けるだけで、さまざまな走行データを取得できるようになります。工事や設定は不要で、データを見るときもウェブやアプリから簡単にアクセスできるので、どんな方でもお使いいただけます。

ドライブレコーダーや車両管理サービスが近年増えてきていますが、その中でもCariotはどのような強みがあるのでしょうか。

Cariot 管理画面

大槻: 主な強みは2つあります。1つはリアルタイム性が高く、輸配送の遅延などの問題が起きた際に素早く状況を把握し対応ができること。もう1つは、分析したい項目に合わせて、分析の軸を自由に設定できるところが優れています。軸とは、どのような視点で比較・分析するかという「項目」のことです。ある程度、決まった軸しか設定できないサービスも多いのですが、Cariotではお客様が分析したい項目に合わせて、自由に軸を設定することができます。例えば、配送先での待ち時間を分析したい場合は、届け先の店舗名を軸に取ることもできますし、配送エリアや生鮮食品などといった配送物のジャンルなどからも分析することもできます。複数の軸から過去を振り返ることで、業務課題に対して適切なアプローチができるのも、私たちのサービスの魅力ではないでしょうか。

ターゲットを教えてください。

大槻:大手、中堅で一定台数の車両を管理している企業をターゲットにしています。業務の生産性に対して課題をお持ちであることが重要ですが、特に時間に正確にお届けすることが求められる会社で導入いただいています。例えば、製造業の工場間をつなぐ輸配送の車両や、がんの検査薬を輸送する車両など、決められた時間までに配送する必要があり、配送先はドライバーの位置情報や到着時間を知りたいというニーズがあります。そういった待ち時間によるストレスをなくすことはもちろんのこと、決まったルートに対しての配送予実データを蓄積し、差を分析することで最適なルートを設計し、業務の生産性をさらに向上させることができます。

車両管理サービスは、営業車に導入しているイメージがありましたが、サービスの拡充として利用されている事例を教えてください。

大槻:実証実験になりますが、兵庫県豊岡市で、路線バス、電気自動車など地域社会における移動手段の全体を「見える化」するスマートシティ構想に参画しました。Cariotは、路線バスの走行位置をスマホや市内に設置したデジタルサイネージでリアルタイムに確認できるシステムとして採用いただきました。

予想外の使い方を教えてください。

大槻:物流企業や営業車を多く所有している企業は、走行データの分析だけでなく、停車している時間の分析、売上につながっていない時間帯の分析をしているケースも多いです。停車時間、待ち時間を分析することで、無駄な時間を洗い出し、業務効率化に活用いただいています。

管理者、経営者の方にメリットがある一方で、導入にあたって現場の反発などはありませんか。

大槻:GPSと聞くと24時間監視されるというイメージを持つ方も多いですが、管理ではなく業務の効率化を目的にすることをお勧めしています。点検・修理業務がある企業で導入したケースですと、効率の良いルートでお客様を訪問している人の動きを共有し、全体のボトムアップにつなげることができます。例えば、一日15件のお客様を訪問するベテラン営業マンのノウハウを共有し、新人教育に活用するというように、プラスイメージの使い方を提案しています。

開発のきっかけや開発に要した期間を教えてください。

大槻:2014年からIoT案件の受託開発ビジネスを始め、お客様の要望に沿ったものをつくっていました。その中でも要望の多かった車や建設機械の動態管理をSaaSで提供しようと考え、事業化に至りました。2015年から構想を練り、2016年4月に事業化し、5月に販売を始めました。

新しい機能が次々と追加されていますが、どのようにしてアイデアは生まれるのでしょうか。

株式会社フレクト 大槻真嗣氏

大槻: 当社は、お客様とのつながりを大事にしており、お客様から「○○な機能がほしい」という要望があった場合、なぜその機能がほしいのかを詳細にヒアリングすることで、課題を深堀することを大事にしています。データをとることが重要なのではなく、その背景を考察し、そのデータから、誰の、どんな課題を解決したいかを重要視し、お客様と一緒に課題把握から解決まで携わっています。取得したデータから、何が生まれるのか、どんな価値があるのかを考え、業務効率化につなげていきます。

今後の展望をお聞かせください。

大槻:日本全国で8000万台もの車両がありますが、導入台数ナンバーワンでなくても、業務の最適化の領域でオンリーワンのサービスを提供し、確たるポジションをとっていきたいです。安全運転のみではなく、「業務を最適化するならCariotが一番いい」と言っていただけるようになりたいです。

将来的にはこの業界にどのように関わっていきたいですか。

大槻:2035年以降、自動運転の時代に突入する頃には、動態管理は当たり前になります。お客様の日々の業務と走行データを合わせることで、どうすれば最適な業務になるかを分析し提案する、車を効率よく使えるサービスになっていたいです。例えば、天候を考えたルートのみではなく、CRM(顧客管理システム)と連動させ、売上最大化のためのルートを提案できるなど、今と違うナビゲーションが可能になるかもしれません。

 

Interviewee

大槻 真嗣(おおつきしんじ)
株式会社フレクト 執行役員 Cariot事業部長

2016年10月より株式会社フレクトに入社、モビリティ業務最適化クラウドCariot(キャリオット)の事業責任者。1978年大阪府生まれ。同志社大学工学部知識工学科卒業。2002年に新卒でリクルートに入社し、社内システムやWebサービスの開発を経て、メディアの企画職や事業開発を経験し、その後グループ会社に出向してマーケティングの責任者を経験。2016年9月にリクルートを退社し、現職へ。

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